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ツバメよ、何処へ(3)

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 また翌朝――。
 昨日同様ツバメの姿はありませんでした。

 私はそのことをとくに推察することもなく、ツバメは朝が早いのね、なんて暢気に考えながら出勤し、その日もお客様と楽しい一日を過ごしました✂

 そして、当たり前のようにツバメがいると思いながら帰宅すると――。
 なんと、ツバメの姿はなかったのです😲

 疑問はありましたが、その時はまだ時間が早いのかな、と思うくらいで、あとで見に行こうと考えていました。しかし、後に夫が帰宅したときに確認してもツバメの姿はなく、結局その日の夜は更けていきました☪

 心の中では翌日の夜にはいると思っていましたが、その夜帰宅してもツバメの姿はなく、次の日、その次の日と時間が過ぎていってもツバメが来ることはありませんでした……。

 ツバメの姿が見えなくなってから三日目の夜。
 家の中は少々どんよりとした空気が流れていました💨

 ツバメが巣を作らなかったことを夫はあからさまに残念がっていましたが、私はどこかほっとしたような、でも寂しいような中途半端な感情を抱いていました😞
 でも、どちらかと言えばやっぱり寂しかったのだと思います。
 鳥が苦手でも、せっかくツバメが巣を作ったのなら一ヶ月半くらいは我慢できる。一緒に時間を過ごそうという覚悟を持ち、楽しみにしていた部分もあるので、その時間を味わえないとなるととても空虚な気持ちになってしまいました😢
 
 いなくなると来て欲しくなる。まったく、身勝手なものですよね……(_ _ )/ハンセイ

 気持ちの整理をして、次の休日に作りかけの巣とフンの掃除をしようね、と私が話かけると、「あの鳥、やっぱりツバメじゃなかったんじゃない?」と夫は一人、話を振り出しに戻そうとしていました💧

 いやいや、絶対ツバメだし……😅

 そして、私たちとツバメのつかの間の時間はあっというまに終わっていきまし――

 と思っていたら、なんと5日後の夜、またツバメが同じ場所に佇んでいるではありませんか❗❓

 また我が家は大騒ぎになり、やれ新聞紙を敷いたのがいけなかったのだとか、写真を撮ったのがいけなかったのだとか、完全素人の適当な見解を言い合ったのち、とにかく今回はそっとしておこうということで合意しました。

 ツバメくん、今度はちゃんと巣を作ってね……🤲

 私はそう願い、布団に入りました💤

 しかし、その夜を最後にツバメは姿を現すことはありませんでした😅

 現在も帰宅する度にツバメを確認してしまいますが、もう来ることはないとわかっています。

 最後の夜、一日だけツバメが来てくれたのは「別の場所に巣を作ることにしたから」と期待をしていた私たち夫婦にお別れを告げに来てくれたのかもしれない、と今では思っています😌

 人騒がせなツバメくん、楽しい時間をありがとう❗

 来年はぜひ巣を作ってね😊

 あまり迷惑にならない場所に😅

 おわり

 尾崎文笑